草壁ハム製作所

小豆島の東海岸、瀬戸内海と淡路島を臨む場所にある「草壁ハム製作所」さんの工房にお邪魔をしてきました。

草壁ハムさんは、小豆島の耕作放棄地を利用して地域循環で育てる鈴木農園さんの放牧豚と香川県の銘柄豚オリーブ夢豚の2種類のもも肉を使用し生ハムを作られています。

空調を使用しない瀬戸内の自然な気候を利用し、小豆島の醤油麹菌の発酵により、草壁ハムの生ハムは醸されます。

原木を覆っている白いものは白カビではなく醤油麹菌です。
仕上げに無濾過の小豆島のオリーブオイルを塗る。

真冬に仕込んだお肉は四季を経て、14ヶ月で完成。
原材料は、肉と、瀬戸内の塩、そして小豆島の高尾農園さんの無濾過のオリーブオイル、以上。

自然な恵みで健康に育った豚を、島の醤油麹と、潮風で醸す。
SDGsという標語が虚に響くほどサステナブルを地で行く作り方。

その風味は、生ハムの甘い香りの中に麹の香りが漂う和風テイスト。

「Jクラフト生ハム」の認定を受けている全国17の生産者のうち、西日本では4つ、そのうちの1つが小豆島の「草壁ハム製作所」さんです。

私たちのお店では、現在製造中のものが完成する、来年春頃にお取り扱いをさせていただくことになっています。

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今回お邪魔し、草壁ハムの三好さんの話を伺うなかで印象的だったのが「小豆島をクラフターの島に」という言葉。

醤油、オリーブ、素麺はもちろん、ビールや養蜂やハーブティーや数々の農産加工品など、島ではクラフトでのモノづくりが盛んです。
そしてそんなモノづくりを大切にし育てていこうとする島の方々の消費意欲。

答えの見えない大きな流れを追いかける人が多くいる中、島のクラフターの方々は既に答えを見つけているよう。
そもそも答えすら探しておらず、満たされた状況の中モノづくりにただただ励んでいるように感じます。
とっても風通しがいい。

ポートランドのDIYカルチャーが世界から注目を集めたように、小豆島も注目を集めてほしいと感じます。

私たちクマグローサリーは島の恵みから何かを生み出すことはしておらず、そんな自分達に時々もどかしさを感じたりもしますが、島のクラフトを島内の方にも島外の方にもご紹介する窓口として、モノづくりを微力ながら支えているということに役割を感じています。

世界三大生ハムの一つは中国の「金華火腿」だそうです。